ご挨拶

第18回日本臨床医学リスクマネジメント学会・学術集会 
会長 長島 久(富山大学大学院 臨床リスクマネジメント学)

 この度、第18回日本臨床医学リスクマネジメント学会・学術集会を、2020年9月12日(土)、13日に富山大学(五福キャンパス)黒田講堂にて開催させていただくこととなりました。
 本学会は、1999年から2000年にかけて我が国で発生した重大な医療事故を契機として、厚生労働省が2001年に患者安全の推進に向けた取り組みを「患者安全推進年」として開始したことを受けて、臨床医学の現場におけるリスクマネジメントに関わる課題を学問的視点から検討する場として設立されました。
 今年は「患者安全推進年」から20年の節目にあたります。この20年で臨床医学の現場を取り巻く環境は大きく変化し、iPS細胞を用いた再生医療の臨床応用やロボット手術、がんゲノム医療などに代表される新たな技術の開発とともに、我々が提供する医療も高度化・複雑化しました。それに伴い、医療の提供に伴う様々な課題に対応して事故を防ぐための安全対策にも、より高い水準と十分な体制の整備が求められております。
 今回の学術集会では、「医療安全管理学、20年目の再考」を主題として、臨床医学の現場における患者安全の現況を見直し、これからの方向性について改めて検討を行いたいと考えております。特に、報告書の確認不足に代表される臨床医学の現場での情報共有における構造的な問題や、臨床医学の現場において発生する患者・医療者間のコミュニケーションギャップの問題に加えて、産業界からの患者の安全向上に向けた取り組みや事故の発生につながる人間の行動科学にも焦点を当てて、特別講演やシンポジウムなどを企画したいと考えております。また、臨床医学の現場におけるリスクマネジメント全般にわたる、学会員の皆様の日頃からの臨床的、基礎的な研究の結果を、幅広くご発表いただく機会にもしたいと考えております。
 今年は、東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴って、7月から8月にかけては全国的に混雑することが予測されますが、9月になると、これらの影響も落ち着きを見せることと思います。9月の富山は、本学会のポスターにも採用した称名滝や黒部立山アルペンルートといった北アルプス立山連峰の観光に加えて、世界文化遺産に登録されている五箇山(相倉、菅沼)の合掌造りの集落など、数多くの観光資源があります。カニやブリといった海の幸は冬が旬ではありますが、「天然の生簀」と呼ばれる富山湾では一年中美味しいお魚が獲れますので、美味しい富山米と一緒にぜひお楽しみください。
 皆様と9月に富山でお会いすることを、心より楽しみにしております。